世界最大のマリファナ・フェスティバル『ヘンプフェスト』潜入レポート
以前にもちらり紹介した世界最大のマリファナ・フェスティバル『ヘンプフェスト(Hempfest)』が、今週末に私のいるところで3日間にわたって開催されました。
この会場が、なんと先日私がヨガクラスに行ってきた公園。わが家の目と鼻の先なので、ジェガーさんとランニングがてら潜入取材に行ってみました。
この地で『ヘンプフェスト』が始まったのは、1991年。当時は『ワシントン・ヘンプ・エキスポ(Washington Hemp Expo)』という名前だったそうです。「マリファナ・フェスティバル」と聞くと、めっちゃ怪しい集会のように聞こえますが、マリファナの効用を正しく理解し、適切に楽しむことを啓蒙するという教育的側面があります。
Mission
Seattle Hempfest is founded in the belief that the public is better served when citizens and public officials work cooperatively in order to successfully accomplish common goals.Objective and Purpose
To educate the public on the myriad of potential benefits offered by the Cannabis plant, including the medicinal, industrial, agricultural, economic, environmental, and other benefits and applications. In particular, Seattle Hempfest seeks to advance the cause of Cannabis policy reform through education, while advancing the public image of the Cannabis advocate or enthusiast through example.
私のいる州では昨年12月に嗜好品としてのマリファナ所持が合法化されたこともあり、今年は特に注目されていたこのイベント。なんと、過去最高の25万人が訪れたそうです。
私たちがランニングで立ち寄った時はまだオープン前で準備中だったのですが、誰にも止められなかったので、そのまま潜入。ステージ前では、スタッフかバンドの人たちが、朝からご機嫌に吸ってはりました。
路上では地元の医療用マリファナ協会のバスも発見。420という数字は、マリファナを意味する俗語だそうです。
水売り場にも、H420と書かれていました。
さらにずっと走っていくと、マリファナ・バーガーやマリファナ・アイスクリームも発見。味が想像できません。
ジェガーさんもこれまで『ヘンプフェスト』に行ったことがなかったらしく、2人とも圧倒されまくりです。よそ見ばっかりしながら走って、やっと家に戻ってきたところで、ちょうど最近こっちに越してきたジェガーさんの友人から電話がかかってきました。
「今から家寄って、荷物置かせてもらっても良い?」
やってきた友人は、今から『ヘンプフェスト』に行くとのこと。『ヘンプフェスト』は入場無料なので、私たちも改めて人がいる状態を見に行ってみることにしました。すると、めっちゃ人がいます。
全体的に若い人が多いですが、年配の人や家族連れもけっこういました。
しかも、今年はマリファナが州内で合法化されて初めての『ヘンプフェスト』だったこともあり、なぜか警察がポテチを配るというキャンペーンも実施されていました。
Sgt. Whitcomb greets with Doritos at the gates. pic.twitter.com/7H49ZuzqAW
— Seattle Police Dept. (@SeattlePD) August 17, 2013
米シアトルで大麻の祭典、警察が使用上の注意呼びかけ | CNN.co.jp :
でも、私がこの日一番びっくりしたのは、このバス。なんとこれ、小説『カッコーの巣の上で(One Flew Over the Cuckoo’s Nest)』(1962)の著者ケン・キージー(Ken Kesey)が、全米にアッシド・テスト(Acid Tests)と呼ばれる LSD を広めるツアーに使用した有名な『FURTHER 号』なのです。本物!
以前ケン・キージーがこのバスで旅行する様子を収めたドキュメンタリー映画『Magic Trip』(2011)を観ていたジェガーさんと私は驚きすぎて、「本物」と書かれているのに何度も係の人に「これほんまに本物ですか?」と確認。もっとおっきいバスなのかと思っていましたが、意外と小型です。中に入ることはできませんでしたが、上に乗ることはできました。
ちなみにこのツアーは、後にビートルズの映画『マジカル・ミステリー・ツアー(Magical Mystery Tour)』(1967)のモデルになったと言われています。
そういえば、私の好きなミュージカル映画『アクロス・ザ・ユニバース(Across The Universe)』(2007)にも、『FURTHER 号』に似たバスが登場していました。
というわけで、私にとっては、マリファナよりケン・キージーのバスの方が印象に残るフェスティバルとなりましたが、マリファナに対する人々の考え方の違いというのを改めて目の当たりにした気がします。
ちなみに、フェスティバルで日本人らしき人は見かけませんでしたが、日本の大麻取締法には日本国民の国外犯処罰規定があるため、日本人がこちらでマリファナを所持するのは同法違反となります!