米医療保険市場がオープン!そのウェブサイトのページで目にした「rundown」の意味とは?

オバマ大統領の肝いりの改革である「医療保険制度改革」。2010年に「医療費負担適正化法(Affordable Care Act):通称オバマケア(Obamacare)」が成立して以来、医療保険の未加入者3000万人の保険加入を支援する準備が、着々と進みつつあります。



そして10月1日、ついに医療保険市場(Health Insurance Marketplace)なるものがオープンしました。

「オバマケア」は、全ての米在住者に対し、2014年1月1日までに医療保険に加入することを義務づけています。違反すれば罰金。そのため1日当日はアクセスが集中し、システム障害も生じましたが、私もさっそくマーケット・プレイスにアクセスしてみました。
Health Insurance Marketplace

すると『A one-page guide to the Health Insurance Marketplace(1ページでわかる医療保険市場ガイド)』というページがあったので、まずはそのページを読んでみることに。冒頭に

Here’s a quick rundown on the most important things to know about the Health Insurance Marketplace, sometimes known as the health insurance “exchange.”

via A one-page guide to the Health Insurance Marketplace | HealthCare.gov

と書かれていました。

ポイント

“rundown” は「要約」「概要」という意味で、プレゼンテーションやスピーチなどにもよく登場します。

rundown | Macmillan Dictionary

  1. an analysis or summary of something by a knowledgeable person
  2. a reduction in the productivity or activities of a company or institution
  3. [Baseball] an attempt by two or more fielders to tag out a base runner who is trapped between two bases

(2. は「生産量が減少したり、会社や組織の活動が低下すること」という意味、そして 3. は野球用語で「挟殺」という意味になります!)

つまり、「以下は、医療保険市場、あるいは医療保険 “取引所” について、最低限知っておくべき内容を端的にまとめたものです。」と書かれていたのでした。

補足

というわけで、医療保険市場には以下のオプションがあるようです。

一つは私保険。低価格の私保険に申し込めるかどうかは、世帯規模(household size)または収入(income)によって、判断されます。

そしてもう一つは、メディケイド(Medicaid: 低所得者向け医療費補助制度)や CHIP(低所得家庭の子ども向けの医療保険制度)。

The new Health Insurance Marketplace helps uninsured people find health coverage. When you fill out the Marketplace application we’ll tell you if you qualify for:

via A one-page guide to the Health Insurance Marketplace | HealthCare.gov

州によっては、独自の医療保険市場を運営しているところもあるので、その場合は、そちらをチェックします:

私のいる州は、独自の医療保険市場を運営していました:

もし2014年までに医療保険に加入していなかったら、冒頭でも述べたように、罰金を払わなければいけません。大人一人につき$95、子供は半額の$47.50となっています。(低所得の場合は収入の1%。)罰金は毎年値上がりする予定です。

すでにメディケア(Medicare: 高齢者向け医療保険制度)、メディケイド、CHIP、職場の保険、独自に加入している保険、COBRA(退職後保険)、 TRICARE(軍人・退役軍人およびその家族のための保険)に入っている人は、改めて加入する必要はありません。

ただし、職場の保険に入っている人は、保険市場の保険に切り替えることもできます。収入によっては低価格の保険加入が受け入れられないこともありますが、職場の保険が負担しきれない額だったり、最低限必要な要件を満たしていない場合は、考慮の余地があります。職場の保険から切り替える場合は、雇用者の負担を失う可能性もあります。

医療保険市場での保険の加入は、2014年3月31日まで。今年の12月15日までに加入すると、来年1月1日から保険支給が始まります。

では、実際の申し込みの手順はどうなるのでしょうか?『How can I get ready to enroll in the Health Insurance Marketplace』というページに具体的な手順が記されていました。

  1. 情報を集める
  2. まずは、自分のいる州が独自の医療保険市場を運営しているかどうかをチェックします。独自の医療保険市場がある場合は、各ウェブサイトから申し込みをして保険を比較し、加入します。独自の医療保険市場がない場合は、連邦政府のウェブサイトを利用します。

    下記のリンクでバックグラウンド情報を入力すると、適切な情報に導いてくれます:

  3. メーリングリストなどに登録する
  4. メーリングリストに登録すると、新しい情報だけでなく、重要な日にちの直前にリマインダも送ってもらえます。Facebook ページTwitter で状況をチェックすることもできます。

  5. 世帯収入に関する情報を集める
  6. どの保険に申し込めるかを判断するためには、給与明細書(pay stab)や W-2 フォーム(日本の源泉徴収票に相当)、納税申告書(tax return)などを参考に収入を把握しておく必要があります。医療保険市場が提供しているチェックリストも参考になります。

  7. 予算を設定
  8. 世帯収入をもとに、月にどのくらいまでなら保険に支払えるかをチェック。以下のリンクで見積もりもできます:

  9. 保険の内容を理解する
  10. 各保険をチェックする時に、保険料(premium)、免責額(deductible)、最大自己負担額(out-of-pocket maximum)、自己負担額(copayment)、共同保険(coinsurance)をきちんと把握。

    • 免責額(deductible)・・・保険が適用される前に自分で負担する金額のこと。たとえば “deductible: $1,000” となっている場合、1,000ドルを超えた分を保険会社が負担することになります。
    • 最大自己負担額(out-of-pocket maximum)・・・自己負担額がその額に達すると、それ以上支払う必要がなくなります。
    • 自己負担額(copayment / co-pay)・・・たとえば “$10 Co-pay per Office Visit”となっていると、医者に診てもらう度に$10負担となります。
    • 共同保険(coinsurance)・・・保険適用時に自分負担する割合。“20% Coinsurance”となっていると、治療費の20%が自己負担となります。

  11. 雇用者に来年の保険支給について確認する
  12. 2014年度も引き続き保険を支給するかどうか雇用者に確認して、支給されない場合は医療保険市場で自分で見つける必要があります。

  13. 相談する
  14. LocalHelp.HealthCare.gov で、各地域の相談窓口を見つけることができます。

    ※重要:世帯で納税申告書を2つ以上提出している場合は、申し込みを始める前に、Marketplace Call Center に電話(1-800-318-2596)をする必要があります。

というわけで、いよいよオバマケアが現実味を帯びてきました!