日常的なやりとりでよく使われる「chow」の意味とは?

先日は、ジェガーさんとの5回目の結婚記念日でした。



結婚してからもう5年も経つなんて、信じられません。こちらの裁判所に行って、裁判官の前で結婚を誓い、結婚証明書を発行してもらって、証人として来てくれたジェガーママと友人と4人だけでささやかなお祝いをしたあの日からもう5年。

その時はウェディングドレスも何も着ず、事務的に済ませただけだったので、その1年半後にもう一度ジェガーさんと日本でちゃんとした式もしたのですが、私たちにとって結婚生活が始まったのは、5年前のあの日からです。

が、ジェガーさんが先週末から風邪をひいて寝込んでしまい、今年はディナーに行けるか微妙な状況に。まあ最悪、ディナーは家でも良いか、と思っていると、当日仕事中にジェガーさんから連絡がありました。

「今日、いつものレストランに6時で」

いつものレストラン、というのは、私たちが昨年4回目の結婚記念日を祝ったレストランです。

何かお祝い事があるといつも行くお気に入りのレストランで、昨年ジェガーさんのお姉さん一家が遊びに来た時も、そこへ行きました。

レストランに食事に行けるのはめちゃ嬉しいですが、ちょっと無理していないか心配だったので、「具合大丈夫なん?」と聞くと、「昨日寝まくったおかげでだいぶ回復した」との返事。ほんまかいなと思いつつ、やっぱり食事に行けるのは嬉しいので、「ほな」ということで仕事をちょっと早めに切り上げ、いそいそとレストランに向かいました。

先に着いたので、テーブルに案内してもらってジェガーさんを待っていると、ちょっとして花束を持った人が店の中へ。「うわ、あの人花束持ってる」と思ってよく見ると、ジェガーさんです。「えっ!?うそ!?」と思っていると、こちらにやって来るやいなや、「結婚記念日おめでとう」

!!!

花束って、なんでこんなぐっと来るんでしょうか。カードももらいました。
5th Marriage Anniversary 3

(後日撮影)

「右がジェガーママからで、左が僕からやで」

先にジェガーママの方から読もうと思ってカードを開けてみると、そこにはジェガーママのメッセージがありました。
5th Marriage Anniversary 1

The compassion,
patience and kindness
you both have learned
to show each other makes
me very proud of you both.
You are building a
strong marriage.
Happy Anniversary
Mom

(あなたたちが共に思いやり、忍耐、そして優しさを
お互いに見せ合うことを学んだこと、
私はとても誇りに思っています。
あなたたちは、強い結婚の絆を作りあげています。
結婚記念日おめでとう
ジェガーママ)

そして右下の方には、

Here is a couple of backs to get some chow with — Enjoy.

と書かれていました。

ポイント

“chow” は「食事」という意味です。

chow | Macmillan Dictionary

  1. [INFORMAL] food
  2. chow or chow-chow: a dog with long thick hair and a purple tongue, originally from China

(基本的にカジュアルな日常会話などでよく使われます。2. は犬のチャウチャウのことです!)

つまりジェガーママは、「少しのお金ですが、食事の足しにしてください。– 楽しんでね。」と書いていたのでした。

カードの間には、現金が挟んでありました。ジェガーママ、優しすぎます。

補足

ジェガーママのメッセージに書かれているように、ジェガーさんと結婚したばかりの頃は、私たちは2人ともまだまだ未熟でした。けんかもめっちゃしました。「もう、ダメかも」と思ったことも、ありました。ジェガーママにも何度も仲介してもらって、本当お世話になりました。

今でもけんかはしますが、年々減っています。ジェガーママの言うように、この5年間で、私たちは思いやり、忍耐、そして優しさをお互いに見せ合うことを学びました。

中でも記憶に残っているのは、ある日ジェガーさんとけんかして仲直りした後にジェガーさんが言った一言です。

「前はな、言い合いになると、自分が正しいことをとにかく伝えようと思っててん。自分は悪くないって。でも、Riho のことをずっと愛するって決めてから、それじゃあかんと思うようになってん。それじゃ何もよくならへんって。」(※当時のプライベート日記から引用)

その言葉は衝撃的でした。なぜなら、私も、言い合いになるといつも自分が正しいことをジェガーさんに伝えようとしていたからです。でも、本来、それは私の目指すことではないはずです。ジェガーさんの言葉を聞いて、私も最も大事なことを履き違えていたことに気がつきました。

それ以来、けんかをしてから仲直りをするのが早くなりました。けんかをしても、自分のエゴを押し付けすぎずに、ジェガーさんに歩み寄れるようになってきたと思います。ジェガーさんも、お互いの意見がぶつかった後、ただ仲直りするだけでなく、その後私の言ったことを踏まえて行動に変化を見せるようになってきました。なので私も、ジェガーさんから言われて反省した時は、なるべく行動で見せるようにしています。

私の敬愛する小津安二郎監督の映画『晩春(Late Spring)』(1949)に、父親が結婚する前の娘にこう言うシーンがあります。

そりゃ、結婚したって、始めから幸せじゃないかもしれないさ。
結婚していきなり幸せになれると思う考え方が、むしろ間違っているんだよ。
幸せは待ってるもんじゃなくて、やっぱり自分たちで作り出すもんなんだよ。
結婚することが幸せなんじゃない。新しい夫婦が新しい人との人生を作り上げていくことに幸せがあるんだよ。
1年かかるか2年かかるか、5年先か10年先か・・・。
努めて初めて幸せが生まれるんだよ。
それでこそ初めて、本当の夫婦になれるんだよ。
お互いに信頼するんだ。お互いに愛情を持つんだ。
おまえがこれまでお父さんに持っててくれたような、あったかい心を、今度はさたけくんに持つんだよ。
そこにおまえの本当の新しい幸せが生まれてくるんだよ。

最近、この言葉をよく噛みしめます。私は結婚した時も幸せでしたが、今の方がもっと幸せです。まだまだけんかもしますが、年々幸せになっています。それはやっぱり、ジェガーさんと幸せを日々作り出しているからだと思います。

そんなことを考えながら、今度はジェガーさんからもらったカードを開けると、こんな風に書かれていました。
5th Marriage Anniversary 2

Riho,

I love you so much-ee
The last five years have been the best of my life

Love,
The Hub AKA Jagger

ジェガーさんも同じことを思ってくれてたんや〜

・・・と、そこで私、はたと気がつきました。

私、花もカードも何も用意してません・・・!

ジェガーさんがディナーに来れるということにテンションが上がってしまって、すっかり手ぶらで来てしまいました。えらいこっちゃです。ジェガーママも用意してくれているのに・・・!

結婚5年目とはいえ、まだまだ私は半人前です。