ビヨンセが男女平等について書いた記事で目にした「buy into」の意味とは?
最近ちらっと話題になっていたのが、歌手のビヨンセ(@Beyonce)さんが『The Shriver Report』という非営利メディアに寄せたエッセイ記事。
The Shriver Report – Gender Equality Is a Myth!(1.12.2014)
さっそく読んで見ると、冒頭に “buy into” というフレーズが出てきました。
We need to stop buying into the myth about gender equality.
ポイント
“buy into” はこの場合、「賛同する」という意味で使われています。
- [BUSINESS] to buy part of a business, especially in order to get control of it
- [INFORMAL] to start to do something that a lot of other people are doing, or to believe something that a lot of other people believe
(大勢の人がしていることを始めること、あるいは、大勢の人が信じることを信じること、という意味なんですね。1. のようにビジネス用語として使われると、「特にコントロールするために、ビジネスの一部を買い占めること」という意味になります。)
つまりビヨンセさんは「男女平等についての神話を信じ込むのはやめましょう」と言っていたのでした。
補足
というわけで、全部で3段落と短い記事なのですが、内容を見ていきたいと思います。まず、最初の段落では、ビヨンセさんは今日でもまだ男性と女性は平等ではないと言っています。
We need to stop buying into the myth about gender equality. It isn’t a reality yet. Today, women make up half of the U.S. workforce, but the average working woman earns only 77 percent of what the average working man makes. But unless women and men both say this is unacceptable, things will not change. Men have to demand that their wives, daughters, mothers, and sisters earn more—commensurate with their qualifications and not their gender. Equality will be achieved when men and women are granted equal pay and equal respect.
(男女平等についての神話を信じ込むのはやめましょう。まだ現実ではないので。今や女性は、アメリカの職場の半分を占めています。それなのに、女性の給料の平均は、男性の給料の平均の77%しか満たしていないのです。これは許容できることではないと、女性も男性も揃って主張しない限り、状況は変わりません。男性は、妻や娘、母親や姉妹が、性別ではなく能力に見合うように収入を得るべきだと、主張すべきです。男性も女性も同等の給与と同等の敬意を認められて初めて平等が実現するのです。)
そして2段落目では、男女平等を実現するために私たちが取り組むべきことを提言しています。
We have to teach our boys the rules of equality and respect, so that as they grow up, gender equality becomes a natural way of life. And we have to teach our girls that they can reach as high as humanly possible.
(私たちは男の子たちに平等のルールと尊敬の念について教える必要があります。そうすれば、彼らが成長した時に、男女平等という考え方はごく自然なものになるからです。女の子たちにも、人間として最高の高みに達することができることを教える必要があります。)
この記事に関して、CNN が分析記事を出していたので、合わせて読んでみたところ、面白い考察がされていました。
A woman, for the record, who celebrates the power of women — that much is clear from her two most recent albums alone. On her 2011 disc “4” there was the self-assured “Who Run the World (Girls)?,” in which she praises the power of women: “My persuasion/can build a nation …. (We’re) smart enough to make these millions/strong enough to bear the children/then get back to business.”
(実際、最近の2本のアルバムだけを見ても、彼女が女性の強さを讃えているのは明らかです。たとえば2011年の『4』では、『ラン・ザ・ワールド (ガールス)』で女性の力を褒め称えています。「私の説得力で国家を築くこともできる / これだけの大金を得られるほど私たちは賢いの / 子どもたちを産むほど強いし / その後はまた仕事に復帰するのよ」)
カテゴリ:Pop(全1曲)
リリース:2011-04-21
レーベル:℗ 2011 Sony Music Entertainment
価格200円
カテゴリ:Pop(全14曲)
リリース:2013-03-29
レーベル:℗ 2011, 2012 Columbia Records, a Division of Sony Music Entertainment
価格1,500円
2013年に電撃発売された『Beyonce』も、彼女のフェミニストとしての視点を象徴していると言われています。たとえば、『***Flawless』という歌には、ナイジェリアの作家チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(Chimamanda Ngozi Adichie)さんが2013年4月の TED トークで行ったプレゼンテーション『We Should All Be Feminists.』の一部が引用されています。
カテゴリ:Pop(全33曲)
リリース:2013-12-13
レーベル:℗ 2013 Columbia Records, a Division of Sony Music Entertainment
価格2,400円
スピーチ全文はこちら→ TED | We should all be feminists – Chimamanda Ngozi Adichie at TEDxEuston (transcript) | vialogue
よく考えると、ビヨンセさんは、『デスティニーズ・チャイルド』の頃から「女性の強さ」を歌った歌が多いように思います。
私からすると、アメリカの女性は強くて、社会もその女性の強さを十分評価しているように見えるのですが、それでもまだまだなんですね〜