映画『スパルタカス』で耳にした「rhinoceros」の意味とは?

先日『シネラマ映画館で観る!70mmフィルム映画祭で上映中の8作品』という記事で、『アラビアのロレンス(Lawrence Of Arabia)』(1962)『パットン大戦車軍団(Patton)』(1970)『スパルタカス(Spartacus)』(1960)の3作品を観たと書きましたが、私がその3作品の中で一番好きだったのは、『スパルタカス』でした。



その『スパルタカス』の冒頭で、共和制ローマ時代に鉱山で働かされ、衛兵に反抗して処刑されていたところを剣闘士養成所主のバタイアタス(ピーター・ユスティノフ)に見出された奴隷のスパルタカス(カーク・ダグラス)が、”You smell like a rhinoceros.”(2:22)と言われていました。

この “rhinoceros” が私は何かわからず、「えっ、何のにおい?」と思ってしまいました。

ポイント

“rhinoceros” は動物の「サイ」です。

rhinoceros | Macmillan Dictionary発音

rhinoceros: a large animal with very thick grey skin and one or two horns on its nose. It lives mainly in southern Asia and Africa.

(ナショナル・ジオグラフィック誌のクイズによると、”rhino” がギリシャ語で「鼻」、”ceros” がギリシャ語で「角」という意味だそうです。”rhino”〔発音〕と短く呼ばれることもあります!)

というわけで、スパルタカスは「サイみたいなにおいがする」と言われていたのでした!・・・どんなにおいやねん。

補足

私は高校の時に世界史を選択していましたが、スパルタカスについては「紀元前73年から71年にかけて、ローマ史上最大の奴隷反乱である “スパルタクスの反乱” が起こりました」と学んだくらいしか記憶がありません。(世界史では「スパルタクス」と学びました。)

世界史の先生が塩野七生さんの大ファンで、「『ローマ人の物語』めっちゃええで」と繰り返し言われていたので、一応大学の受験勉強の息抜きに『ローマ人の物語』も読んでいたのですが、その時ですら、ユリウス・カエサルの印象が強すぎてスパルタクスの部分はあまり記憶に残っていません・・・

なので、スパルタクスがどんな人だったか、これまでよく考えたことはありませんでした。

でもよく考えてみると、「ローマ史上最大の奴隷反乱」というのはおそるべし話です。映画を観て、事の大きさとスパルタクスの豪傑ぶりをひしひしと目の当たりにさせられました。

ちなみに物語は、ハワード・ファスト(Howard Fast)のベストセラー小説『スパルタカス(Spartacus)』(1951)が元になっています。

監督は当初アンソニー・マン(Anthony Mann)だったそうですが、途中からスタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)に交代。今なら CG で撮影されそうな決戦シーンや大規模カットが全部実写で、映像に凄みがあります。主演のカーク・ダグラス(Kirk Douglas)も、ヒロインを演じたジーン・シモンズ(Jean Simmons)も、アカデミー賞で助演男優賞を受賞したピーター・ユスティノフ(Peter Ustinov)も、渾身の演技。

スタンリー・キューブリック監督にとってこの作品は3作目の長編作品で、当時キューブリック監督は32歳でしたが、その当時で一流の俳優からここまで本気を引き出すなんて、やっぱりキューブリック監督ただものではありません。
Stanley Kubrick on the set of Spartacus
ちなみに、塩野七生さんの『ローマ人の物語』を読んで、それなりにローマ時代に対して親しみを抱いていた私としては、元老院の様子や元老議員の服装、入浴するローマ人の様子などが観られたのもめちゃ興味深かったです。

この映画を高校時代に観ていたら、世界史がもっと好きになっていたかもしれません・・・!