米最高裁が同性婚の権利を支持する判決を示したニュースで目にした「strike down」の意味とは?

26日に米連邦最高裁判所(The U.S. Supreme Court)で同性婚の権利を支持する判決が下され、ニュースを見ていて何度も “strike down” という単語を目にしました。

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ロイター通信の記事『Gay marriage gets big boost in two Supreme Court rulings』(6.26.2013)でも複数回登場していました。

The court struck down Section 3 of DOMA, which limited the definition of marriage as between a man and a woman for the purposes of federal benefits, as a violation of the U.S. Constitution’s guarantee of equal protection under the law.

via Gay marriage gets big boost in two Supreme Court rulings | Reuters

Gay marriage advocates celebrated outside the courthouse. A big cheer went up as word arrived DOMA had been struck down. “DOMA is dead!” the crowd chanted, as couples hugged and cried.

via Gay marriage gets big boost in two Supreme Court rulings | Reuters

The ruling was a win also for more than 200 businesses, including Goldman Sachs Group, Microsoft Corp and Google Inc, that signed on to a brief urging the court to strike down DOMA. Thomson Reuters Corp, owner of the Reuters news agency, was another signatory.

via Gay marriage gets big boost in two Supreme Court rulings | Reuters

ポイント

“strike down” は法律に使われると「違憲であると判断する」という意味になります。

strike down | Merriam-Webster Dictionary

  1. annul, nullify
  2. to declare (a law) illegal and unenforceable

(1. のように、「無効にする」という意味にもなるんですね。例文は “The board struck down the appointment〔委員会はその任命を無効にした〕” となっていました!)

最初の一文は「裁判所は、結婚を男女間のものと規定する結婚保護法の第三条を、法の下の平等を保障する米国憲法に反するとして違憲と判断した」、次の文は「同性婚支持者は裁判所の外で祝福した。結婚保護法が違憲と判断されたことが伝わると大きな歓声が上がった。「結婚保護法は死んだ!」という唱和が起こり、カップルたちは抱き合って涙を流した」、そして最後の文は「判決は、裁判所に結婚保護法を違憲と判断するよう促す声明に署名を記したゴールドマン・サックス・グループやマイクロソフト社、グーグル社など、200以上の企業にとっても勝利となった。この署名には、ロイター通信社を所有するトムソン・ロイター社も加わっていた」と書かれていたのでした。

補足

今回の審査では、

  • 1996年に制定された結婚保護法(DOMA / Defense of Marriage Act)の合憲性
  • 2008年に住民投票で認められた、同性婚を禁止するカリフォルニア州の法律『提案8号(Proposition 8)』の合憲性

の2つが審議にかけられ、どちらも5対4で違憲と判断されました。

これにより、同性婚カップルの法的権利が保障されることになります。ただし、同性婚自体が米国全土で認められるかどうかの判断までは下されていません。今回、連邦法上の権利を認められたのは、同性婚が合法化されている12州及び首都ワシントン D.C. で結婚した同性婚のカップルに限られています。

これに、カリフォルニア州法『提案8号』が違憲と認められたことで、カリフォルニア州が同性婚を許可する州に13州目として加わることになりました。これにより、アメリカの全人口の約1/3が同性婚を認める州に居住することになります。

この結果を祝い、Google では26日から、”gay” や “marriage equality” と検索すると検索バーが虹色カラーになる細工を実施。
Google - gay
他の企業も続々と SNS に祝福の投稿をアップしていました。

  1. MasterCard
  2. Marc Jacobs
  3. Banana Republic
  4. Banana Republic - #BRLove4All

    (via Banana Republic Facebook page

  5. Expedia
  6. Expedia - find your unity

    (via Expedia Facebook page

  7. Gap
  8. Gap - Always Be One

    (via GAP Facebook page

  9. Facebook

Facebook - Pride Connects Us

(via Facebook Facebook page

最後の Facebook の投稿によると、全米の Facebook 利用者のうち約70%が、同性愛者または両性愛者だとタイムラインで公表している友人とつながっているそうです。

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