アリアナ・ハフィントンが日本について書いた記事で目にした「charm」の意味とは?
昨日紹介したハフィントン・ポスト(The Huffington Post)創業者のアリアナ・ハフィントン(@ariannahuff)さんが、日本版創刊に寄せた記事を本国版に掲載していたので、読んでみました。
すると、”charm” という言葉が何回か出てきました。
And charms from local shrines are everywhere. Even the editor-in-chief of GQ, the super-hip Masafumi Suzuki, arrived for an interview in our offices carrying a bag adorned with many charms awith bells. And our Japanese editors gave me as a present a set of IT charms from our neighborhood shrine, to protect my laptop and other gadgets (it’s a lot easier than a trip to the Genius Bar!).
ポイント
“charm” はこの場合「お守り」という意味で使われています。
- the quality of pleasing, fascinating, or attracting people
- a pleasing or attractive feature
- a small object worn or kept for supposed magical powers of protection; amulet; talisman
- a trinket worn on a bracelet
- a magic spell; enchantment
- a formula or action used in casting such a spell
- (physics) an internal quantum number of certain elementary particles, used to explain some scattering experiments
私は昔、渡米する時に友人にもらったお守りをしばらく持ち歩いていたことがあって、当時付き合う前だったジェガーさんに「何それ?」と聞かれ、「お守り・・・って英語で何!?」とパニクったことがあります。その時に “charm” という言い方を覚えました。懐かしい・・・
アリアナさんは「あと、どこにでもあるのが神社のお守り。GQ の超オシャレな編集長、鈴木正文さんでさえも、鈴のついたお守りをたくさんつけた鞄で取材に来られましたからね。日本版の編集部も、私のノートパソコンや他のガジェット類を守るために、近所の神社の IT お守りをプレゼントしてくれました。(こんなんジーニアス・バーに行くよりめっちゃ楽やん!)」と書いてはったのでした。
めちゃ面白いです。
この IT お守りというのは、おそらく東京・秋葉原の神田神社にある IT 情報安全守護のことだと思われます。ハフィントン・ポスト日本版の所在地が秋葉原なので、ほぼ間違いないはず。こんなお守りがあったとは・・・。お守りがめちゃハイテックです。私も友人のお土産に欲しいです。
補足
ということでこの記事、出だしが “Konnichiwa!” となっていて、ハフィントン・ポスト日本版に掲載されていた『アリアナ・ハフィントンよりご挨拶』の出だしと同じだったので、てっきり日本版に掲載した記事の英訳版かと思って最初は見過ごしていたのですが、内容は全く別物です。
アリアナさんは最初に、日本が現在置かれている経済状況について語り、それから人口問題に触れています。65歳以上の人口の占める割合が22%(世界一)って、相当です。
Some of the particular problems Japan is facing are demographic. Last year, the number of workers aged 60 or over hit a record high, growing by over 3 million. Those who are 65 or older now make up 22 percent of the country, the highest proportion in the world.
この影響をもろに受けているのが、若い世代。2007年以降、20歳前後の自殺率が250%も上昇しているそうです。後半で紹介されている警察庁(National Police Agency)の調べによると、2011年に就職難を苦に自殺した30歳以下の人は150人で、2007年の約2倍になっているとのこと。
ここでアリアナさんは、「現代ストレスに対処する解決法は、古来日本の伝統に見出せる」と述べます。日本はバランスや調和を重んじる国であり、この不調和な時代で新しい調和や均衡を見出すために役立つ手段は身のまわりにあるそうです。
Paradoxically, there are answers to be found to all these very modern stresses in the most ancient Japanese traditions. Japan is a place that puts great emphasis on balance and harmony, and the tools to help the Japanese find a new harmony and equilibrium in these very unharmonious times are all around them.
例に挙がっているのは、就職活動を支援する寺のプログラムやお守り、茶道など。「日本は昔ながらの伝統を新しい問題解決にうまく適用することによって、またイノベーションに独特の日本らしいひねりを加えることによって、つまり前後・内外に向かって進むことによって(日本ではこれらの並列は必ずしも互いに矛盾しません)、21世紀における新しいバランスを見出そうとしているのです」と締めくくってはります。
Like the U.S., Japan is facing huge challenges. But by taking old traditions and adapting them to solve new problems, and taking new innovations and applying a uniquely Japanese twist to them, by going both forward and backward, both outward and inward — juxtapositions that in Japan don’t have to be contradictions — the people of Japan are poised find a new and vibrant balance for the 21st century. Or, as Takahama Kyoshi wrote:
A paulownia leaf Is falling down with Sunshine on it
最後に引用されている俳句は高浜虚子の “桐一葉日当たりながら落ちにけり
” ですね!
追記
(5.10.2013)
ハフィントン・ポスト日本版にも、全文訳が掲載されていました!
Arianna Huffington: 日本が危機を乗り切るカギは「外と内、未来と伝統の新しいバランス」