オバマ対ロムニー米大統領選討論会で、一番話題になったビッグバード
今週10/3に行われたオバマ(Obama)、ロムニー(Romney)両候補によるテレビ討論会の第1ラウンド。私はちょうど仕事が重なってライブで見られなかったのですが・・・
討論会の翌日にメディア記事にざーっと目を通していると、”Big Bird” という言葉がやたら目に入ってきました。
Big Bird って・・・セサミストリート(Sesame Street)のビッグバード?と思ったら、その通り。なんでビッグバードやねん、と思いながら目についた記事をいろいろ読んでいると、少しずつ状況がわかってきました。
まずは経緯から。
- 討論開始約20分後、ロムニーさんが支出削減について話している流れで「自分が選ばれたら PBS への資金援助を打ち切る」と発言。
- ロムニーさん、「PBS への資金援助を打ちきる」という自分の発言を(おそらく)フォローするつもりで「私もビッグバードはめちゃ好きですよ!」と発言。
- 「ビッグバード」という言葉が視聴者の耳に突き刺さる。
- 「ビッグバード」関連のツイートが1分間に17,000ツイートを超える
- ビッグバードの Twitter のアカウント(@BlGBlRD)のフォロワーが20,000人以上増える
- Facebook では「ロムニー」「オバマ」「討論会」に次いで第4位に「ビッグバード」がトップ・キーワード入り。Google でも同じく検索キーワード数第4位を獲得。
PBS というのは Public Broadcasting Service の略、つまりアメリカの公共放送サービスのことです。『Frontline』や『Antiques Roadshow』などの番組があります。
ここで例のビッグバードが出てきました。なんで「ビッグバード」かと言うと、PBS で最も有名な番組の一つが『セサミストリート』やからなんですね〜!
支出削減の話をしていてビッグバードという言葉が出てきたらそりゃみんな驚きます。完全なる不意打ちです。
17,000 Tweets per minute for “Big Bird” and 10,000 Tweets per minute for “PBS”. #debates
— Twitter Government (@gov) October 4, 2012
ビッグバードって Twitter やってたんやと思ってツイートをさかのぼってみたら、ロムニーさんの発言直後にアカウントが作られていました。
もはや今回の討論の主人公はビッグバードやったと言っていいでしょう。オバマさんもさっそく翌日 “We didn’t know that Big Bird was driving the federal deficit.(ビッグバードが財政赤字の原因やったなんて知らんかったわ。)” とネタにしてはりました(via ABC News)。
でも、実は ABC News の記事『Mitt Romney Can’t Roast Big Bird With PBS Cuts』(2012年10月)によると、セサミストリートが PBS から受け取っている資金はほとんど無きに等しいそうです。運営費の多くは企業スポンサー(corporate sponsorships)やグッズの売り上げ、寄付(donation)で成り立っているとのこと。なので PBS を切り離しても、セサミストリートは生き残ります。
しかも、昨年公共放送に使われたのは $430 million だったらしいんですが、それって全体の連邦予算(federal budget)から見ればたったの0.012%なんやとか。それ削ってもあんま効果ないんちゃうん!って思ってしまいます。
そんな話題の「ビッグバード」発言のビデオがこちら↓
「PBS 好きですよ。ビッグバード好きですよ。あなたのことも好きですよ。」(0:10)と言ってはりますが、ここで「好き」と告白されている司会者のジム・レーラー(Jim Lehrer)さんは、まさに『PBS News Hour』というニュース番組のキャスターさん。
したがってレーラーさん、告白された時の顔が完全に「何言ってんねん」の顔になってはります。
私はこの週末にゆっくり2人のディベートを見たいと思います。
追記
(10.8.2012)
オバマさんが翌日ロムニーさんのビッグバード発言を冷やかしているビデオを発見しました。「赤字を減らし、経費を削減するためにロムニーが打ち出した策は、公共放送への資金援助をなくすということですよ」と言った瞬間めっちゃブーイング出てます。