映画『プロメテウス』の予告編で耳にした「What the hell?」の意味とは?
巨匠リドリー・スコット(Ridley Scott)が『エイリアン(Alien)』(1979)制作から約30年を経て発表した SF 映画『プロメテウス(Prometheus)』が、いよいよ日本でも来週8/24(金)公開に迫ってきました。
そこで改めて予告編のインターナショナル版を観てみたところ、『プロメテウス』号のヤネック船長(Janek / イドリス・エルバ)が “What the hell?” と言っていました(1:27)。
ポイント
“What the hell?” は “What?” に “the hell” がついている形で “What?” を強調しています。なので、”the hell” を取ればだいたい意味はわかります。日本語字幕では訳が「何だ?」になっていました。
日本語字幕付きはこちら→ 『プロメテウス』本予告 | YouTube
What the hell is something that you ask when you are not happy with a situation or with something and you want to know what is going on and why that situation is occurring.
(主に状況が理解できない時や、満足できない時などに使うみたいです。たとえば、せっかく家を綺麗にして出かけていったのに、帰ってきたらめちゃくちゃ散らかっていた、という時はまさに “What the hell?” の出番だそう。あと、疑問文じゃない場合は諦めの意味で使われることもあるようで、こちらの例文は親戚の結婚式に自分は行きたくないけど奥さんの頼みやから行かなあかん時の一言として “What the hell, I’ll go along. [しゃーないな、一緒に行くわ。] ” が紹介されていました。)
※補足:ほぼ同じ表現で “What the heck?” “What the fuck?” という表現もありますが、上品度は what the hell > what the heck > what the fuck となっています。”fuck” は放送禁止用語なので、公共の電波で誰かがこれを言うと、”What the [ピー音]” となります。どれも映画に限らず日常生活でもよく耳にするので、覚えていて損はないと思いますが、決して上品な言い方ではないのであえて使う必要はないと思います。(私は使っていません。)
※補足2:”What the hell is that?” というように、文章の途中に使われることもありますが、この場合も基本的に “the hell” を取ればだいたい意味がわかります。
補足
というわけでこの『プロメテウス』、私もジェガーさんと 3D で観たのですが、私たちの感想を一言で言うと、「リドリーさん、おかえりなさい。」
ストーリーはややツッコミどころもありますが、3D 効果を駆使して表現し尽くされた壮大な世界観にどっぷり2時間、引き込まれまくりでした。グロテスクな描写では “Oh, god.” という声も挙がっていましたが、私個人は 3D で観た方が楽しめるんじゃないかと思います。もはや映画を「観る」のではなく「体験する」感じに近かったです。
FirstShowing.net のインタビュー記事『Interview: Ridley Scott on Returning to Sci-Fi, Hollywood, 3D & More』によると、リドリー・スコットは『ブレードランナー(Blade Runner)』(1982)が当時多くの人びとに受け入れられず、興行的に失敗したことにがっかりして、しばらく SF 映画の制作から距離を置いていたそう(知らなかった・・・)。ところがその後米国議会図書館(Library of Congress)に『ブレードランナー』が保存されることになり、世間でも再注目されていく動きを目の当たりにして、むくむくと SF に対する興味を取り戻していったそうです。
リドリーさんがいない間にいろんな監督がいろんなエイリアン映画を作って SF エイリアン界を支えてきたわけですが、こうして本家が戻って来られて本当に良かったです。
観終わった後はなんだか『エイリアン』も観たくなって、そのままレンタルビデオ屋さんへ直行しました。すると、全部貸し出されていました。やっぱりみんな考えることは同じなんですね。
仕方がないので『エイリアン』の予告編を観ると、『プロメテウス』の公式予告編(インターナショナル編とは結構雰囲気が違います)とタイトルの出方や盛りあげ方が似ている気がします。
それより驚いたのは、『プロメテウス』号に出資したウェイランド社(Weyland Industries)にもちゃんと公式サイトがあること。社長のピーター・ウェイランド(Peter Weyland / ガイ・ピアース)が 『TED Talk 2023』 で話しているビデオまで公開されていました。『プロメテウス』の公式ウェイランド社 T シャツに刻まれているウェイランド氏の格言「WE Are The Gods Now」もばっちりスピーチに登場しています(2:17)。
T シャツについてはこちらの記事に詳しく書かれていました→ 映画『プロメテウス』『エイリアン』『エイリアンVSプレデター』シリーズに出てきた企業・ウェイランド社のTシャツがカッコイイ | ROCKETNEWS24(2012年8月)
日本語字幕付きはこちら→ 映画『プロメテウス』特別映像「PETER WEYLAND 2023 TED TALK」| YouTube
※補足:スピーチで語られる「プロメテウス」は、ギリシャ神話に登場する神の名前で、全能の神であるゼウス(Zeus)の考えに背いて、人間に火と文明を与えたとされています。
さらにウェイランド社は、人材募集広告まで出していました。
この徹底した世界観の構築が素晴らしいです。
せっかく戻って来られたので、もう次回作は『ブレードランナー2』(製作中)とか『プロメテウス2』(製作中)とかやめて、ガイ・ピアース(Guy Pearce)主演『ウェイランド』で良いんじゃないかと思います。