ロケ地ファン必見!CD ジャケットのロケ地が一目でわかるプロジェクト『PopSpots』
ツイッターで見かけて知ったユニークなプロジェクト『PopSpots(@Popspotsnyc)』。ニューヨークを中心に、有名アーティストの CD ジャケットなどのロケ地を探り当て、現在の写真とぴたりと重ね合わせた作品をアップしていくというものなんですが、重なり具合が完璧です。
Finding the Locations of Famous Album Covers Shot in New York | TwistedSifter(2012年7月)
- Wednesday Morning, 3 A.M. – Simon And Garfunkel
- The Freewheelin’ – Bob Dylan
- After The Gold Rush – Neil Young
- West Side Story
- Pretzel Logic – Steely Dan
- Highway 61 Revisited – Bob Dylan
リリース:1989-10-11(Pop)
価格:200円 – (視聴する)
(アルバム:Wednesday Morning, 3 A.M. (Remastered)の12曲目に収録されています)
カテゴリ:Rock(全13曲)
リリース:2004-06-01
レーベル:℗ Originally Released 1963 Sony Music Entertainment Inc.
価格1,500円
リリース:2009-05-29(Rock)
価格:200円 – (視聴する)
(アルバム:After the Gold Rush (Remastered)の2曲目に収録されています)
カテゴリ:Soundtrack(全15曲)
リリース:2010-10-18
レーベル:℗ 2010 Pickwick Group Ltd
価格1,350円
手がけているのは、ニューヨーク在住のボブ・イーガン(Bob Egan)さん。全体的にボブ・ディランが多めやと思ったら、名前もどことなく似ているような。『PopSpots』のサイトには、かの有名なプロモーション・ビデオを撮影した場所も載っていました。
Subterranean Homesick Blues – Bob Dylan
この、無表情でややくたびれている感じが良いです。紙をめくるのがちょっともたつくと、「急げ急げ!」とつい野次を飛ばしたくなってしまいますが、ちゃんと歌のペースについていけているのはさすがディラン。
私はてっきり、このプロジェクトは実際の写真とカバー写真を重ね合わせるだけのものだと思っていたのですが、『PopSpots』のサイトに行ってみたところ、なんと、イーガンさんがどのようにしてこれらのロケ地を探り当てたかがめちゃくちゃ事細かく記されていました!
ニューヨークで撮影された作品は自分で現地まで行って撮影しているみたいですが、たとえば『Subterranean Homesick Blues』のように、海外のものとなると、Google Map をめちゃくちゃ駆使してはるのがわかります。(よく見ると『Subterranean Homesick Blues』の合成写真は、背景に “Google” と書いてあります。Google Map のストリート・ビュー機能を利用して合成していたんですね!)
丹念な記述のおかげで、ロケを行った場所がすぐわかるだけでなく、現地に行った場合もどの角度から見れば良いか迷う心配がありません。私もロケ地巡りが好きなんですが、「映画やポスターで見るのと同じ角度から見たい!」という欲求は確かにあるので、これはファンにとってはめちゃくちゃ便利なんじゃないでしょうか。自分で独自に探したいと思った場合も、イーガンさんの Google Map 作戦は役立ちそうです。
特に素晴らしかったのは『ムンクの叫び(The Scream)』。あの叫んでいる人が立っている場所がどこなのかをイーガンさん、一生懸命探しはりました。
まずは普通に Google で “Munch The Scream location” と入力するものの、ヒットしなかったらしく、一般検索ではなく Google の書籍検索に絞り込んで再検索。すると、『The Private Life of a Masterpiece( Monica Bohn-Duchen 著)』という本に「ノルウェーの首都オスロにあるエーケベルグ(Ekeberg)の丘が舞台」と書いてあるのを見つけたそう。
そこで今度は Google Map でオスロを検索。イーガンさんが『ムンクの叫び』を見た時の印象は、「海か湖のそばの橋の上」という印象だったそうですが(私もそう思ってました)、ここで予想を大きく裏切られます。オスロはなんと、内陸地。ところが拡大してみると、一見内陸だと思われたところにはフィヨルドがあり、条件が重なってきました。
最初に背景を分析した時に手がかりとして挙げていた下の拡大図の2つのでっぱり部分が、2箇所の入り江にあたるのではとイーガンさん推測。エーケベルグの丘はオスロの南東にあるので、この説はかなり有力に考えられます。
イーガンさんが絵を見てもう一つ気になっていたのは、2つのでっぱり部分の右側にある微妙な突起。これをイーガンさんは高い建物、おそらく教会じゃないかと推測するのですが、オスロで最も高い建物をこれまた Google で調べたところ、見事にオスロ大聖堂(Oslo Cathedral)がヒットし、条件一致。
これらの場所の特定をもとに、イーガンさんが導きだした答えがこちらです。
場所と角度が見事に判明した時、イーガンさん思わず「湖じゃなくて湾やったんや!」と心の中で叫んだそうです。私もイーガンさんの報告を読んで「イーガンさんすごすぎ!」と心の中で叫びました。
イーガンさん、これからも新作楽しみにしています。