ホラー映画『クリスティーン』の予告編で耳にした「seductive」の意味とは?

毎年この時期になるとジェガーさんが家で主催する「ホラー映画フェスティバル」。ジェガーさんによると、今年は本当は家の近くの映画館で開催されていた『ホラー・ウィーク・フェスティバル』に行って、大画面で往年の名作ホラーを堪能する予定だったらしいのですが、私が体調を崩していろいろ大変だったため、キャンセルになりました。

Christine

それで「今年はもうホラー映画観んでええんや〜」と思っていると、11月1日になってジェガーさんが、「週末まで街のハロウィン・イベントも続いてることやし、せめてレンタルしたこの DVD だけでも観よか」と言ってきました。

「えっ・・・それって、ホラー?」
「スティーブン・キング(Stephen King)原作で、ジョン・カーペンター(John Carpenter)が監督やで」
「・・・」
「車が次々に人を襲う話やで」
「・・・」
「あんま怖くなさそうやろ」
「とか言いつつ怖いんやろ」

と抵抗したにも関わらず、結局観る羽目になったのが、この『クリスティーン(Christine)』(1983)という映画。「クリスティーン」と名付けられた車が、まさに次々に人を襲っていく話です。
クリスティーン コレクターズ・エディション [DVD]
見終ってから予告編を観てみると、冒頭で “She’s seductive.” と言っていました。

ポイント

“seductive” は「魅惑的な」という意味です。

seductive | Macmillan Dictionary

  1. sexually attractive
  2. attractive and likely to persuade you to do something that may be harmful or wrong

(”sexually” というところが、ポイントです。ちょっと危険な香りのする単語です。ちなみに、2. の例文は “The arguments seem seductive at first.〔その議論は、最初はうまい話に思えた〕” となっていました!)

つまり、ナレーションは「彼女は魅惑的だ」と言っていたのでした。

補足

というわけでこの車、本当魅惑的です。狙いを定めた男を一瞬で虜にし、独占して離しません。嫉妬深く、危険な香りがぷんぷんします。でも、人間の女性に当てはめてみても、こういう人はいる気がします。

個人的には、主人公のアーニーの変貌ぶりがとても興味深かったです。いじめられっ子で引っ込み思案のアーニーが、クリスティーンを手に入れてからみるみる自信をつけて “イケメン” になり、学年で一番人気の転校生の女の子を彼女にしちゃうところ。その一方で、厳しい両親に対しても反抗するようになり、その態度がどんどん悪くなっていくところ。

クリスティーン自体は非現実的ですが、アーニーというキャラクターが現実的で、人を成長させることも、狂わせることもある「愛」の二面性をよく描いた作品だと思いました。ホラー映画と言っても、私が恐怖を感じるのは幽霊や怪奇現象系なので、『クリスティーン』はあまり怖く感じなかったです。

私がスティーブン・キング原作のホラー映画を観るのは、『キャリー(Carrie)』(1976)『シャイニング(The Shining)』(1980)に次いでこれで3作目なんですが、キング原作のホラー作品は、まだまだいっぱいあります:


『キャリー』に関しては、今年クロエ・グレース・モレッツ(@ChloeGMoretz)さん主演でリメイクされて、アメリカでは現在公開中。

ちなみに、スティーブン・キングさんはホラー作家として有名ですが、『ショーシャンクの空に(The Shawshank Redemption)』(1994)や『グリーンマイル(The Green Mile)』(1999)などの原作も、彼が手がけてはります。

私はどちらかというとこっち系の作品の方が好きなので、もう来年は「ホラー・フィルム・フェスティバル」でなく、普通に「スティーブン・キング・フィルム・フェスティバル」を開催してほしいです。