急いでいる時などによく使われる「I gotta go.」の意味とは?
ジェガーさんに急いでいる時に電話すると、たいていこう言われて切られます。めっちゃ潔いです。
ポイント
“I gotta go.” というのは “I’ve got to go.” の省略形で、「もう行かな」という意味になります。
gotta: [informal] contraction of got to
「もう行かな」というと、ちょっと切羽詰まった雰囲気も感じられますが、切羽詰まった状況を装ったり、自分の意志じゃないけど仕方がないというニュアンスで使われたりすることもあります。
たとえば、『(500)日のサマー〔(500) Days of Summer〕』(2009)では、トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット / Joseph Gordon-Levitt)の友人がサマー(ズーイー・デシャネル / Zooey Deschanel)と挨拶した後、2人を邪魔しないように「ほなちょっとオレ行かな・・・」という感じで “Well… I gotta go.”(0:29)と言ってはります。が、理由のところで口ごもっているため気を遣っているのはバレバレ。
補足
ちょっと前に映画『2 Days in New York』(日本公開未定)を観た時も、マリオン(ジュディ・デルピー / Julie Delpy)の新しいボーイフレンドのミンガス(クリス・ロック / Chris Rock)が、マリオンの妹との関わりを避けるべく切羽詰まった感じを装って “I gotta go. OK?”(1:34)と言って逃げていました。
この『2 Days in New York』は、『パリ、恋人たちの2日間(2 Days in Paris)』(2007)の続編です。
パリ編は、マリオンが恋人ジャック(アダム・ゴールドバーグ / Adam Goldberg)を連れて故郷を訪れるという設定でしたが、今度は故郷から家族がニューヨークへマリオンを訪ねてきます。これが「海外暮らし中に家族が来た時あるある」の連続。家族と離れて海外に住んでいると、一度はきっと家族が遊びにくることがあると思いますが、私も昨年春に親が、昨年秋に弟が遊びにきた時のことを映画を観ながら思い出さずにはいられませんでした。
- いろいろ持ってきてくれる
- 頼られる
- 板挟みになる
私の親は、こちらへ来る時お米をたくさん持ってきてくれました。おいしいお米を探すのに苦労していた時だったので、これは嬉しかったです。しかも2合ずつジップロックに小分けして持ってきてくれたので使いやすくて便利でした。スーツケースの隙間のいろんなところに入ってました。
お米を個人用として海外へ持ち出す場合、食糧法に基づく届出の必要はありません→ お米を輸入・輸出される方へ | 農林水産省
一方、マリオンの両親はフランスからたくさんソーセージなどの肉製品を持ってきてはりました。予告編にも映っていますが、持ち込みすぎて取り調べを受けてはります。
日本の場合、肉製品に関しては土産や個人消費用、あるいは少量であっても輸出検査を受けていないものは日本から持出すことはできません。輸出検査を受ける必要があります→ 肉製品などのおみやげについて(持出し)| 動物検疫所
カップ麺や粉末スープなどの加工品も申告の対象になるので注意が必要です→ アメリカ西海岸の基本情報 | MAPPLE の海外旅行ガイド
私は日本にいる時は何かと親に頼ってばかりでしたが、こちらでは私が親に頼られる立場になるということを身をもって実感しました。
それはマリオンも同じ。マリオンの家族も生粋のフランス人で、ほぼフランス語しか話せません。フランスとアメリカの文化も結構異なるので、会話が通じなかったり、フランスで普通にやっていることをアメリカでやったらアメリカ人(映画の中では主にミンガス)がびっくりしたりします。
私の家族はマリオンの家族ほどのトラブルを起こすことはありませんでしたが、普段あーせいこーせい言われている私が「ここではあーしてこーして」と逆の立場で指図するのがなんだか不思議な気分でした。
ニューヨークに来るマリオンの家族は3人。父親(演じているのもジュディ・デルピー実の父親で俳優のアルバート・デルピー)と妹、そしてなぜか今は妹と付き合っているマリオンの元彼です。この妹とマリオンが、映画の中で何度かけんかします。
実は私も、弟がこちらに滞在中、大げんかをしました。弟とけんかなんて大きくなってからほとんどしたことなかったのに、なんでよりにもよってこんな海外でけんかしなあかんねん!と思いましたが、してしまいました。弟は一人で来たので不安もいっぱいあったやろうし、海外では国内以上に気が張りつめた状態になりがちです。一方私もあるある②のようにガイドや通訳として、家族にもジェガーさんにも気を遣い、精神的に疲弊してしまっていた部分はあったと思います。
マリオンを見てそう思いました。そのくらい、マリオンも私と全く同じように家族と恋人の間でサンドイッチ状態になってました。そこだけは私、笑うというより「マリオンの気持ちめっちゃようわかるわ〜」と思いながらめちゃくちゃ感情移入してました。
振り返ってみれば、友人が遊びにきた時はあまりこのような問題は起きていません。おそらく家族に対しては、ちょっと甘えも出てしまうのかもしれません。ジュディ・デルピーは全てをコメディに変えて大げさに笑い飛ばしていますが、きっとジュディさんもこういう経験あったんやろな〜と思いながら観ていると、なんだか笑いながらもほっとしました。
パリ編はパリ編で「国際カップルが恋人を実家に連れて帰った時あるある」の連続なので、こちらもおすすめです。
日本語字幕付きはこちら→ 映画『パリ、恋人たちの2日間』予告 | YouTube
復習1
Q.『2 Days in New York』の予告編(trailer)で、マリオンが “I’m a pain in the ass”(0:08)と言うシーンがあります。”pain in the ass” の意味はなんだったでしょう?
A. 口にするのは要注意!日常会話でよく耳にする「pain in the ass」の意味とは?
復習2
Q. 再び『2 Days in New York』の予告編(trailer)で、税関が “What the hell is this thing?”(0:35)と言うシーンがあります。”what the hell” の意味はなんだったでしょう?