映画『マクベス』で何度も耳にした「hail」の意味とは?

先週『ベネディクト・カンバーバッチ主演「ハムレット」のセリフで耳にした「apprehension」の意味とは?』という記事を書きましたが、その後映画『マクベス(Macbeth)』(日本は2016年夏公開予定)を観てきました。

すると、何度も “Hail, Macbeth.” が出てきました。予告編でも何度も繰り返されています。

ポイント

“hail” は「讃える」という意味です。

hail | Longman Dictionary

  1. to describe someone or something as being very good
  2. to call to someone in order to greet them or try to attract their attention
  3. if it hails, small balls of ice fall like rain

(人にも物にも使われるんですね。例文には「The new service has been hailed a success.(新しいサービスは成功だと讃えられている)」などがありました。3. のように、あられ〔霰〕やひょう〔雹〕の意味もあります!)

つまり映画の中では「マクベス、万歳!」と唱えられていたんですね。ちなみに “Hail” と聞くと、私はヒトラーを連想します。

補足

『マクベス』は、『リア王(King Lear)』『ハムレット(Hamlet)』『オセロ(Othello)』に並ぶシェイクスピアの四大悲劇の一作。舞台はスコットランドで、実在のスコットランド王マクベスがモデルになっています。

主人公のマクベスはグラミス(Glamis)の領主で、スコットランドの将軍。戦果を上げた後、魔女たちに出会って「万歳、コーダーの領主(All hail, Macbeth, hail to thee, thane of Cawdor!)」「万歳、王になるお方(All hail, Macbeth, thou shalt be king hereafter!)」と言われ、一緒にいた将軍のバンクォー(Banquo)も「子孫が王になる(Thou shalt get kings, though thou be none)」と言われるのですが、その後マクベスが魔女に言われた通りコーダーの領主になることに。

マクベスから話を聞いたマクベス夫人(Lady Macbeth)は、マクベスが王になるという予言も実現させるべく、マクベスとダンカン王(Duncan)の暗殺を計画。計画はうまく運び、マクベスは思惑通り王になるのですが、マクベスとマクベス夫人の人生はそこから大きく狂っていきます。

映画の世界観がとても独特で、芸術的で、シェイクスピアの詩的なセリフも全く違和感なし。

マクベスとマクベス夫人が、自らの野心が招いた過ちに対する罪悪感に苛まされ、どんどん正気を失っていく姿は、まさに悲劇としか言いようがありません。

マイケル・ファスベンダー(Michael Fassbender)さんの演じるマクベスとマリオン・コティヤール(Marion Cotillard)さんの演じるマクベス夫人が、あまりに人間の本質に迫っていて、今までで一番マクベスがよく理解できた気がします。

ちなみに『マクベス』は、私は舞台以外では過去にロマン・ポランスキー(Roman Polanski)監督版を観たことがあります。

でもジェガーさんによると、オルソン・ウェルズ(Orson Welles)監督版もあるそうで、オルソン・ウェルズ監督好きとしてはそちらもちょっと観てみたいです。