映画『リリーのすべて』で耳にした「flaunt」の意味とは?

先日『2015年にアメリカで劇場公開された映画で観て良かった作品10選』という記事でちらっと書きましたが、新年最初に観た映画は『リリーのすべてThe Danish Girl)』(日本はは3月18日公開予定)でした。

その映画の中で、”flaunting” という単語が出てきました。以下のクリップで2回出てきています。

Look at the way she dresses, flaunting her ankles.(0:29)

The first time we met, I was leaving the Academy, and she was on the steps, flaunting said ankles… And she propositioned me!(0:38)

ポイント

“flaunt” は「見せびらかす」という意味です。

flaunt | Macmillan Dictionary

flaunt: to deliberately try to make people notice your possessions, beauty, abilities, etc., because you want them to admire you

(自分の持ち物や美、能力などを讃えてもらいたいという気持ちから故意に人に気づいてもらうよう振る舞うことなんですね。)

つまり最初のセリフは「彼女のドレスの着こなしを見てくれよ、くるぶしを見せびらかしている」、そして後半のセリフは「初めて出会った時、僕はアカデミーを出ようとしていて、彼女は階段にいた。さっき言ったくるぶしを見せびらかして・・・そして誘ってきたんだ」と言っていたのでした。

補足

映画『リリーのすべて』は、1920年代に世界で初めて性別適合手術に挑んだデンマーク人の話です。同名の原作(邦題は『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語』)が元になっています。

イラストレーターの妻ゲルダに女性を描くためのモデルになることを頼まれ、女装をしたことがきっかけで、内なる女性性に目覚めた風景画家のエイナル。リリーという名で表に出るようになるにつれ、エイナルのアイデンティティが覆っていきます。

この物語は実話ですが、驚くのはエイナルの変化を、妻が支え続けたこと。まだトランスジェンダーという言葉もない頃にエイナルの変化を真に理解することは、相当な努力が必要だったのではないかと思います。

それでも、たとえリリーとしてのアイデンティティがどれだけ強くなっても、ゲルダがエイナルの側を離れず全てを受け入れ続けたところに、私は性別を超越したとてつもない愛を感じました。

女装すると完全に女性にしか見えないエディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)さんはもちろん、ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデル(Alicia Vikander)さんも素晴らしい演技です。ちなみにアリシア・ヴィキャンデルさんは『Ex Machina』(日本公開未定)のアンドロイド役の人でもあります。

この映画はコペンハーゲンで撮影されましたが、トム・フーパー(Tom Hooper)監督は映画を制作するにあたって、デンマークを代表する画家の一人ヴィルヘルム・ハンマースホイ(Vilhelm Hammershøi)の作品を参考にしたそうです。

上の映像でもハンマースホイの作品と実際の映像が比較されていますが、確かに世界観が似ています。

Vilhelm Hammershoi - Interieur mit Rueckenansicht einer Frau - 1903-1904 - Randers Kunstmuseum.jpg

(”Vilhelm Hammershoi – Interieur mit Rueckenansicht einer Frau – 1903-1904 – Randers Kunstmuseum” by Vilhelm Hammershøihttp://www.um.dk/Publikationer/UM/Deutsch/DanischeThemen/BildendeKunst/html/chapter01.htm, http://isabelledescharbinieres.hautetfort.com/archive/2006/05/29/de-la-modestie-des-femmes.html. Licensed under Public Domain via Commons.)

Hammershoi Ida Reading a Letter.jpg

(”Hammershoi Ida Reading a Letter” by Vilhelm Hammershøihttp://artmarketmonitor.com/wp-content/uploads/2012/06/Lot-30-Hammershoi-Ida-Reading-a-Letter.jpg and http://artdaily.com/index.asp?int_sec=11&int_new=55938. Licensed under Public Domain via Commons.)

トム・フーパーさんの映画は品性を感じさせますが、それがストーリーの良さをさらに引き立てていて、私はとても好きです。