タランティーノ監督最新作『ヘイトフル・エイト』の劇場パンフレットで目にした「exclusive」の意味とは?

ジェガーさんと私の2015年の映画収めは、クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の最新作『ヘイトフル・エイトThe Hateful Eight)』(日本は2016年2月27日公開予定)でした。


本当は公開日の25日に観に行く予定が、チケットが完売していたので翌26日に観に行ったのですが、映画館に行くと久しぶりに劇場パンフレットをもらいました。

The Hateful Eight 1

上映開始まで待っている間に目を通していると、”exclusive” という単語が2回出てきました。

In keeping with Tarantino’s appreciation for film and a bygone era of event distribution, The Hateful Eight is being released in North America on December 25, 2015, exclusively in theaters equipped to project 70mm film.

The exclusive 70mm Roadshow engagement of The Hateful Eight pays homage to and recreates the grand film exhibition style popularized in the 1950s and ’60s and that brought audiences to theaters with the promise of a special event.

ポイント

“exclusive” は「独占的な」という意味です。

exclusive | Macmillan Dictionary

  1. very expensive, and therefore available only to people who have a lot of money
  2. limited to a particular person, thing, or group and not shared with others
  3. published or reported by only one newspaper, magazine, television station, etc.

(特定の人や物、あるいはグループに制限されて、他に共有されないという意味なんですね。3. のように、スクープ記事や特ダネなどに対してもよく使われています!)

つまり前半は「映画や過ぎし時代の映画上映に対するタランティーノの深い思いを込め、『ヘイトフル・エイト』は70ミリ映画の上映装置を備えた映画館限定で12月25日に北米リリースされる」、そして後半は「独占的な『ヘイトフル・エイト』の70ミリ映画の上映は、映画館を訪れる観客に特別イベントをもたらして1950年代から60年代にかけて人気を集めた壮大な上映方式を再現し、オマージュを払っている」と書かれていたのでした。

なるほど、私たちがもらった劇場パンフレットもこの「おもてなし」の一環だったんですね!

補足

パンフレットでも説明されていましたが、この作品に対するタランティーノ監督の特に大きなこだわりは、今は珍しき『ウルトラ・パナビジョン70(Ultra Panavision 70)』で撮影していること。

Ultra Panavision 70 refers to the very rare and exceptional format that Quentin Tarantino and his team used to shoot The Hateful Eight. Panavision’s unique anamorphic camera lenses capture images on 70mm film in an incredible aspect ratio of 2:76:1. Almost all films you see today are shot in ratios of either 1.85:1 or 2.39:1. So, to put it simply, Ultra Panavision 70 provides an amazingly wider and more detailed image.

(ウルトラ・パナビジョン70は、クエンティン・タランティーノ監督と制作陣が映画『ヘイトフル・エイト』の撮影に用いた極めて特別で珍しいフォーマットだ。パナビジョンのアナモフィック・レンズは70ミリフィルムの縦横比を脅威の2.76:1で捉える。今日私たちが目にしているほとんどの映画は1:85:1または2:39:1の比率で撮影されたものだ。つまり、簡潔に言えば、ウルトラ・パナビジョン70は驚くべきほど幅広く、より充実したイメージを提供するのだ。)

The Hateful Eight 2

『ウルトラ・パナビジョン70』で撮影された代表的な作品と言えば、『ベン・ハー(Ben-Hur)』(1959)。

今回『ウルトラ・パナビジョン70』で映画が撮影されるのは、実に1966年の『ハルツーム(Khartoum)』以来約50年ぶりだそうです。

現在、70ミリフィルムの映画を上映できるところと言えば、シネラマ映画館くらいしかありません。

そこでタランティーノ監督はシネラマ映画館と契約を結び、前述のように本編前に序曲(overture)を挟んだり、私たちがもらったような劇場パンフレットを用意したりして、かつての映画体験の復興を試みたのでした。これらは70ミリフィルム上映限定となっています。

The Hateful Eight 3

・・・ところが、そんなタランティーノ監督を12月、悲劇が襲いました。なんと、『ヘイトフル・エイト』公開の1週間前に全米公開となった『スター・ウォーズ/フォースの覚醒Star Wars: The Force Awakens)』が、ホリデーシーズンも延長してシネラマ映画館で上映されることになったのです。

これにはタランティーノ監督、大ショック!ディズニーにブチ切れです。

ジェガーさんと私も大ショックで、一応26日は急遽70ミリフィルムを上映すると発表した映画館に観に行ったのですが、スクリーンサイズが70ミリフィルムに対応していなかったため、映画の下に黒い余白スペースのある残念な状態で観賞せざるを得ませんでした。もうがっかりです。映画の冒頭でシネラマのロゴが表示されたのが、また切なくて仕方ありませんでした。

映画自体はジェガーさんも私もかなり気に入って、最近のタランティーノ作品の中で一番だと思ったので、スター・ウォーズが落ち着いてシネラマ映画館で『ヘイトフル・エイト』が上映されるようになったら絶対もう1回観に行きたいと思います。