名詞でも形容詞でも使われる「civilian」の意味とは?

先週『映画『アメリカン・スナイパー』に関する記事で目にした「veteran」や「vet」の意味とは?』という記事という書いて Facebook に告知投稿したところ、ジェガーさんからこんなコメントが寄せられました。

Veteran’ is a helpful word to learn. I use it sometimes myself: http://motherboard.vice.com/…/how-call-of-duty-changed…

コメントに貼り付けられていたジェガーさんの最新記事を読んでみたところ、”civilian” という単語をたくさん目にしました。

Hire Heroes helped transform Roth’s resume, interpreting his comprehensive skillset into terminology a civilian could wrap their brain around.

via How ‘Call of Duty’ Changed the Lives of Veterans | Motherboard

The military does have a mandatory Transition Assistance Program, or TAP, for all personnel leaving the services, meant to assist vets in their transition back to civilian life.

via How ‘Call of Duty’ Changed the Lives of Veterans | Motherboard

ポイント

“civilian” は、名詞として使われると「市民」、形容詞として使われると「市民の」という意味になります。

civilian (noun) | Macmillan Dictionary

  1. someone who does not belong to the military or the police
  2. [HUMOROUS] a term used by famous people, especially actors, to refer to people who are not famous

(軍隊、あるいは警察に属していない人のことを “civilian” と呼ぶんですね!)

civilian [adjective] | Macmillan Dictionary

civilian: relating to people who are not in the military or the police

つまり一文目の “civilian” は名詞で、「『Hire Heroes』はロスの履歴書を作り替える手伝いをし、包括的なスキルを一般市民でも理解できるような用語に置き換えた」、そして2文目の “civilian” は形容詞で、「軍隊には一応、除隊員たちが市民生活にスムーズに戻れるよう支援する『Transition Assistance Program』という義務プログラムがある」と書かれていたのでした。

補足

というわけで記事は最初、いきなりゲームの描写から始まります。そのゲームとは、戦闘ゲーム『コール オブ デューティ(Call of Duty)』。シリーズ最新作『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア(Call of Duty: Advanced Warfare)』はケヴィン・スペイシー(@kevinspacey)さんがゲーム化して登場したことでも話題になりましたが、けっこうリアルな戦闘ゲームです。

でも、実はこのゲーム、なんとチャリティ団体を創設して退役軍人たちの就職を支援しているそうです。

It’s called, appropriately, the ​Call of Duty Endowment, and its mission is to place unemployed veterans, of which there are a huge number in America, into meaningful employment.

(その団体は、適切に言えば “Call of Duty Endowment” と呼ばれており、アメリカに大勢いる無職の退役軍人を意味のある雇用に就かせることをミッションとしている。)

via How ‘Call of Duty’ Changed the Lives of Veterans | Motherboard

ジェガーさんは、この団体から支援を受けたデヴィッド・ロスという退役軍人にインタビュー。その人もクリス・カイル(Chris Kyle)さんのように PTSD を抱えていました。さらに難聴を煩い、戦闘時の外傷によって精巣がんの発症の疑いも持っていました。

しかし、仕事を探し始めた頃は、最低賃金の職しか見つからなかったそうです。退役後、離婚を経てシングルファーザーになったロスさんには、3人の娘を養う必要がありました。

Now that the ​longest era of conflict in American history, manifested by the twin wars in Iraq and Afghanistan, has finally, maybe come to ​something like a stopping point, if not a resolution, the US is left with almost a million-man army of jobless vets. About three quarters of a million ex-service members are without work, ​according to the Bureau of Labor Statistics, and ​the Pentagon pays out almost a billion dollars yearly in unemployment compensation. Post 9/11 vets are hit the hardest, with unemployment rates of Gulf War II era veterans 81 percent more likely to be unemployed than their civilian peers.

(イラクとアフガニスタンという2つの戦争が同時に進む、アメリカの歴史において最も長い紛争時代がやっと〔解決でないとするならば〕中継地のようなところに辿り着こうとしている今、アメリカ国内には大勢の失業した退役軍人たちがあふれようとしている。労働統計局によると約75%の退役軍人が失業しているそうで、米国国防総省は年間約10億円もの金額を失業保障にあてている。9.11 以降、退役軍人たちは最も厳しい状況に置かれ、失業率は同胞市民と比べて81%も高いという。)

via How ‘Call of Duty’ Changed the Lives of Veterans | Motherboard

”Call of Duty Endowment” こと CODE は、失業した退役軍人を支援する数多くの非営利団体の力を借りて運営されています。

ロスさんに支援を働きかけてきたのも、”Hire Heroes USA” という非営利団体でした。彼らが履歴書をチェックし、ロスさんのアピールポイントを整理し、なんと数週間で職が決まったそう。

しかし軍人と “civilian” の間には、まだまだ乗り越えるべき壁があります。

In particular, the failure to understand how vets’ military experience can be utilized in the civilian sector is a big barrier, even if it sounds like a relatively small hurdle.

Often the veterans themselves do not know how to articulate their skills in a way civilians will pick up on. Communication breaks down.

(特に退役軍人たちの軍隊経験が市民領域に役立てられることが理解されないのが、一見たいした問題ではなさそうに見えて大きな障害となっている。

また、退役軍人たち自身も、自分たちのスキルをどのようにして一般市民が理解できるようはっきりと述べるべきか知らないことが多い。結果、コミュニケーションは破綻する。)

via How ‘Call of Duty’ Changed the Lives of Veterans | Motherboard

冒頭にちらっと出てきた軍が徐隊員に義務づけているプログラム『TAP (Transition Assistance Program)』は、5日間のワークショップだそうですが、実際にはあまり役に立っていないようです。

そもそも、退役軍人たちの失業は、軍部の管轄ではないのだとか。

Hence CODE, a nonprofit created by Activision, purveyor of the evergreen Call of Duty series. To receive an initial $30,000 grant, given out under the rubric of the endowment’s ​“Seal of Distinction” award, each non-profit must open its books for a full audit, to verify efficacy. (The audit work is done pro-bono by ​Deloitte.)

(そこで、不動の人気シリーズ『Call of Duty』を提供するアクティビジョンが創設した非営利団体 CODE の登場、というわけである。『Seal of Distinction』受賞という名のもと最初の3万ドルの助成金を得るためには、非営利団体は有効性を確証するために帳簿の全面監査を受け入れる必要がある。〔監査は、監査法人デロイトの無料奉仕活動によって行われる。〕)

via How ‘Call of Duty’ Changed the Lives of Veterans | Motherboard

これらの非営利団体は、退役軍人の履歴書をチェックするだけでなく、キャリア・コーチングを提供したり、模擬面接をしたり、必要であればスーツを揃えたりすることもあるそうです。

CODE は2009年の創設以来、アクティビジョンより1300万ドルもの支援金を受け取っているそう。

Recent findings show that hiring veterans ​makes good business sense. Goldenberg put it this way in ​CODE’s annual report: “The message we want employers to internalize is not one of pity or patriotism, but rather the proven, tangible value of veterans in the workforce.”

(退役軍人を雇うことはビジネス的にも意味があることが最近わかっている。〔CODE のエグゼクティブ・ディレクターである〕ゴールドバーグ氏は、CODE の年間報告書でこう記している。「私たちが雇用主たちに心から理解して欲しいのは、憐れみや愛国心ではなく、職場での退役軍人たちの、証明された目に見える価値である。」)

via How ‘Call of Duty’ Changed the Lives of Veterans | Motherboard

ちなみに、冒頭のロスさんも職場でめきめきと頭角を示して昇進し、ガンもなくなったそうです。

私はジェガーさんがたまに『Call of Duty』をプレイしているのを見て、「戦争ゲームのどこがええねん」と思っていましたが、戦争ゲームの背景には、こんなストーリーがあったんですね。

とはいっても・・・やっぱり戦争ゲームは苦手ですが!