シアトルであった無差別殺人事件を元にした映画『Wallflower』

5月18日から6月11日まで開催中のシアトル国際映画祭(SIFF)。参加者数の規模では全米最大を誇るこの映画祭で、ジェガーさんの長編作品『Wallflower』がプレミア上映されます。

今日からシアトルで開幕したシアトル国際映画祭。そこでなんとジェガーさんの映画が上映されます!先ほどレッドカーペットを見に行って来たんですが、ちゃっかりジェガー Jr. も地元のテレビ局のお姉さんにインタビューされてご満悦 😀

この映画はシアトルで実際にあった事件をベースにした作品なので、シアトルの映画祭で上映されるのはとても意義深いです。日本でもいつか上映されたらいいな~!

Posted by ツカウエイゴ on Thursday, May 18, 2017

 

シアトルで実際にあった無差別殺人事件

 

Wallflower』 は、シアトルで2006年に実際にあった事件が元になっています。”Capitol Hill massacre” として知られる無差別殺人事件で、計6人が犠牲になり、犯人もその場で自殺しました。

現場となったのは、レイブ(rave)パーティーの二次会の会場。レイブというのはダンスパーティーの一種で、夜通し行われることが多いです。事件では、犯人がレイブパーティーに参加し、その後参加者の一人の自宅で行われた二次会で犯行に及びました。

よく「真実は小説よりも奇なり」と言いますが、この事件にも奇妙な点があります。それは、殺人願望があった犯人が、すぐに犯行に及ばず、被害者たちと一夜を共にした上で犯行に踏み切ったこと。無差別殺人事件としてはけっこう異例です。

映画では、この犯人がレイブパーティーに参加するところから夜明けまでを追い、レイブパーティーのコミュニティと、そのコミュニティに相容れない犯人を対照的に描きます。

タイトルの “Wallflower” は日本語に訳すとそのまま「壁の花」。つまり、「パーティーで誰にも相手にされずに独りぼっちで壁際にいる人」のことです。

wallflower (noun)

1. [INFORMAL] someone at a social event who has no one to dance with or talk to, often because they are shy

2. a plant with yellow, orange, or red flowers and a pleasant smell

wallflower (noun) American English definition and synonyms | Macmillan Dictionary

 

制作期間7年

 

ジェガーさんにとって、この映画はとても思い入れの深いものです。その理由の一つは、事件の犠牲者の一人にジェガーさんの親友が含まれていたから。

実はこのレイブパーティーには、ジェガーさんも誘われていました。当時ジェガーさんは20代半ば。ジェガーさんは誘いを断って行きませんでしたが、友達は何人か参加し、二次会にも行きました。

そして、ジェガーさんの親友のうち一人が犠牲者に。別の一人は生き残ったものの、事件から10年以上経つ今もトラウマを抱えて苦しんでいます。

ジェガーさんは事件後、この無差別事件のことを理解するため、手に入る限りの資料に徹底的に目を通し、オリジナルの脚本を生み出しました。

犯人以外の登場人物は全て架空の人物だそうですが、どの人物も徹底的な調査と取材に基づいて作られており、亡くなったジェガーさんの親友も一部モデルになっています。犯人の心理描写については、精神科医も協力・監修しています。

映画を観た後に関連資料に目を通すと、意外なほど事実に忠実な描写が多くてびっくりします。

 

シアトルで制作・撮影

 

映画制作におけるジェガーさんのこだわりの一つは、シアトルで撮影すること。キャストやスタッフにも、シアトルにゆかりのある人たちがたくさん揃っています。

主役を演じた俳優のデビット・コールさんも、ワシントン州出身。デビット・コールさんは、大柄だった犯人の役に合わせて増量し、演技に臨みました。

何から何までシアトルにとてもこだわった映画なので、今回地元シアトルの映画祭でプレミア上映できるのは、本当に意義深いことです。

日本でもこの映画が観られるようになったら良いな〜

 

メディア掲載歴

 

Interview with Jagger Gravning, Director of "Wallflower"

Posted by Mind Over Matters on KEXP on Wednesday, June 7, 2017